記憶の断片 夢の殺人劇

意識が戻り、辺りを見渡すと真千子が頭を貫かれて死んでいた。

「だ、誰が真千子を?」そう言いながら僕は桜花の元に駆け寄る。

「桜花?おい!大丈夫か?」以前意識が戻らない桜花。当然だろう。この前の傷と今の傷でかなり体力が落ちているはずだからな。

「畜生!しっかりしろ!」そういいながら僕は桜花を抱えて廃工場を出る。
家路に向かって歩いていると桜花が目を覚ました。

「あ・・・れ?此処何処?」やっと気が付いてホッとする僕。

「一応例の如く傷は塞いだ。多分出血はしないだろう」家に着くと、桜花を布団に潜り込ませる。

「ねぇ、総太。「雑食」は?」

「何故か死んでた。僕も意識飛んでたから分からない」

「ふぅん・・・そうなんだ。まぁいいや、おやすみ・・・総太・・・」そう言って寝息を立て始める。僕も早々に寝たほうがいいだろうと思い、布団を被って意識を落とした・・・ 「起きろよ、兄弟」唐突にぶっきらぼうな声に起こされた。

「誰だい?こんな時間に」眠い頭を回転させて時間を見る。どうやら寝てからあまり経っていないようだ。

「そんな事言うなって。こうやってお前と会えるなんてあんまりねぇことなんだからよぉ」目の前の人物に目を向ける。そのとき、思わず息を呑んだ。

「おいおい、何で俺と同じ顔の奴がこんな所に立ってんだって顔すんじゃねぇよ。夢の中だから当たり前だろう?」

「・・・・・・夢だということは認めよう。だってさっきから時計の針が全然進んでないし、桜花だって君が居るって言うのに気づかないんだもんな」すると瓜二つの人間はにやりと嗤い、

「流石冷静な判断ができるな。改めて見直すよお前には」

「で?誰だい?君は」

「まだ分かんねぇのか?「俺」は「お前」なんだよ。東山総太?まぁ、お互い東山総太じゃあ不便だろうから俺のことは・・・そうだな・・・・・・「殺人鬼」か「一穿」でかまわねぇよ」まさか自分から「殺人鬼」と名乗るとは思わなかった。それを誇示するかのように「殺人鬼」の背中からは殺気があふれ出ていた。

「僕に何の用だ?」端的に質問する。

「ん?別に?折角お前が自分で俺のところまで来たんだからよぉ、土産くらいは置いて逝ってくれるんだろう?」「殺人鬼」の背中から更に殺気が溢れる。

「土産とは何のことだ?」すると、「殺人鬼」はやれやれという風な仕草をする。

「おいおい、おめぇは最近こちら側に来ちまってるけどさぁ、もしかして何も分からずにこっちに来てんのか?」・・・・・・なるほど、そういうことか

「残念だが流石にただで渡すわけにはいかないな。それなりのことをやってからにしたいのでね」

「じゃあ、俺に勝つしかねぇぞ。果たして勝てるのか?俺によぉ。え?!東山総太!!」そう言って「殺人鬼」はナイフを構える。僕もいつの間にか持っていたナイフを構える。
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