記憶の断片 肉食獣との戦闘(後)

桜花は真千子に斬りかかる。だが真千子はそれを難なく回避する。

「流石ね、「殺戮鬼」!貴女はやはり私の相手にふさわしい」まるで蜘蛛のような動きで桜花の背後に回り、一気に背中を爪で引っ掻く。桜花は呻きながらも真千子の腕を斬りつける。二人とも後方に跳んで距離をとる。

「総太!ぼうっとしてないで一気に殺すわよ!!」そう言ってまた桜花はまた襲い掛かる。俺も真千子に飛び掛りナイフを振り回すが全く当たらない。

「どうしたの、総太?全然当たらないけど?」くすくす、と余裕の笑みを浮かべながら真千子が言う。先程の桜花の傷はほとんど効果が無かったようだ。俺はバイトでたまにナイフを使ったこと意外使ったことが無い。だからほとんど振り回すだけだ。桜花は脇から血が滲み出ていた。この前の戦闘で「人形使い」につけられた傷だ。

「あら?手負いかしら。貴女ほどの人が傷をつけるなんてね。まさかこの前戦った「人形使い」のおチビちゃんかしら?」既にあの戦いのうわさはそんなところまでいってたなんて。

「そりゃしかたがないよ。情報の回り方はかなり早いからね。こっちの世界は」やつれた笑顔で言う桜花。

「結構苦しそうだしねぇ。終わらせてあげる!」そう言った瞬間、真千子の姿が消えた。周りを見渡すが気配が全く無い。と不意に、桜花の背後に人影が舞い降りた。その人影は桜花の背中を斬りつけてから吹き飛ばした。

「桜花?!大丈夫か?!おい!!」必死に呼びかけるが返事が無い。背中からは真っ赤な血が地面を汚している。

「やっぱり手負いじゃあ手応えないなぁ」ブツブツと何かを言っている真千子。

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記憶の断片 肉食獣との戦闘(前)

草木も眠る丑三つ時、僕は桜花に起こされた。

「ねぇ、総太。そろそろ行くよ〜」僕が起きると既に桜花は修道女の服に着替えていた。ちなみに、この前の戦闘にも桜花は修道女の服を着ていた。

「ああ、分かった」僕はナイフをポケットにしまうと「雑食」と名乗る俺を昔助けてくれた女を殺すために家を出た・・・・・・

「今気になったんだけどさ。桜花って何で修道女が着るような服を着てるんだ?」アイツのオーラを探しながら訊いてみる。桜花は前の戦闘と同じ、もしかしたらそれ以上の鋭い視線でオーラを探していた。

「罪が少しは軽くなると思うから」探しながら答えてくれる。しばらく歩いていると桜花は薄暗い路地に入っていった。それにつられて僕も入る。
 そこからずっと進んでいくとまた廃工場を見つけた。その中に桜花は入っていく。僕も入ると血の匂いに思わずむせた。目が慣れてくると人の食べかけがいくつもあった。そしてその真ん中に「雑食」はいた。「雑食」・・・真千子はこちらを向くとにやり、と笑みを浮かべる。

「ようこそ。私の宴へ!歓迎するわ!!」咆哮をあげながら笑う真千子。とうとう戦闘が始まる。
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記憶の断片 男同士の語り合い

日も沈み、あたりはだんだんと暗くなってくる。桜花は眠いからと言って眠ってしまった。僕は夕食を食べている。その向かい側に一さんが座っていた。

「総太。お前はその子が好きか?」唐突な質問に思わず絶句する。

「まぁ、結構可愛いですし・・・・・・って!何言わせてるんですか!?」すると、一さんは豪快に笑う。

「いやね、お前がかなり難しい顔をしてもんでさ。ほぐしてやったわけだ」流石は現役刑事。洞察力が違うな。急に一さんは真剣な顔つきになる。

「真千子のことか?」いきなり核心を突かれて思わず一さんの顔を見てしまう。

「・・・・・・はい。アイツが今は何やってるんだろうなって・・・」一さんはタバコを取り出して1本吸う。

「お前ってさ。知らず知らずのうちにとんでもなく大きなヤマに首突っ込んでんじゃねえのか?」今日の一さんは冴えすぎているなぁ。

「僕は真千子を助けたい。それだけです」お茶を飲んで一息つく。一さんは立ち上がり、

「それじゃあな。彼女が寝てるうちに襲うんじゃねえぞ?」また豪快に笑いながら部屋を出て行った。

「俺も寝るか・・・・・・」そう言って布団(昼間にもう一組買った)を敷いてまどろみに身を任せた・・・
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